コームック島の移動と滞在
私はクアントゥンクー桟橋のコンクリートの斜面に立ち、島内の小さな食料品店へと運ばれるプラスチック製の籠に塩水が跳ねるのを眺めていた。空気はディーゼル燃料と干物の匂いが混じっている。ここは高級リゾートのような整えられた玄関口ではない。トラン県の、ありのままの交通の拠点だ。本土から狭い水路を渡る乗り合いのロングテールボートの料金は50バーツ。木のベンチで、一週間分の物資を抱えて帰宅する地元住民と隣り合わせになることも珍しくない。
島の性格と適性
コームック島は石灰岩でできた島で、観光インフラよりも漁村やゴム園としての性格が今も色濃く残っている。島内に車は走っていない。聞こえてくるのはロングテールボートのエンジンの低い唸り音と、時折コンクリートの細い道を通り過ぎるサイドカー付きバイクの音くらいだ。
向いている人: 静かな夜とゆったりとした時間を優先する旅行者。ビーチの間を歩いて移動することを楽しめ、エアコンの効いたショッピングモールがなくても気にならない人には最適だ。ランタ島とリペ島の間を移動する際、よりローカルな環境で3日ほど休息を取りたい場合にも向いている。
避けるべき人: レンタカー用の舗装道路、密集したカクテルバー、あるいは大量のデータ通信に必要な安定した高速光回線を求めるなら、この島ではストレスを感じるだろう。ここはパーティーアイランドではない。
シーズンごとのリズム
アンダマン海の気象サイクルが、この島での生活のすべてを決める。
- ピークシーズン(11月〜3月): 海は穏やかで、BundhayaやTigerlineといったフェリー会社がフルスケジュールで運行する。エメラルド洞窟を確実に訪れることができる唯一の時期だ。
- ショルダーシーズン(4月・10月): 4月は暑さのピーク。宿泊費は下がるが、一部のレストランは閉まり始める。
- 雨季(5月〜9月): 西海岸(チャーリービーチ周辺)の多くのリゾートが完全に閉鎖される。ランタ島からのフェリーも運休し、本土のクアントゥンクー桟橋からのロングテールボートのみが唯一の手段となるが、波が高い場合は欠航することもある。
訪れるべきスポットとランドマーク
エメラルド洞窟(Tham Morakot): この島最大の呼び物だ。80メートルの海上トンネルを泳いで通り抜けると、内側のラグーンにたどり着く。本土からの日帰りスピードボートを避けるには、午前8時までに洞窟の入り口に到着している必要がある。私はツアー団体が到着する前に着くよう、800バーツでプライベートのロングテールボートをチャーターした。
シバライビーチ(Ao Kham-Yai): 東側に突き出した長い白砂の岬。島で最も視覚的に美しい場所だが、日陰はほとんどない。
チャーリービーチ(Hat Sai Yao): 西側に位置し、夕日を眺めるのに最適なスポット。ビーチの両脇には高い崖がそびえ立っている。かつてここにあった主要なリゾートは取り壊されたが、砂浜には今も小さなポップアップバーが営業している。
フェリー航路とアクセス
多くの旅行者はトラン経由で到着する。トラン空港(TST)から、バンとボートがセットになったチケットを約350〜450バーツで予約できる。
- 本土からのアクセス: クアントゥンクー桟橋から出発。乗り合いのロングテールボートで約30分。
- アイランドホッピング: 乾季にはSatun Pakbara Speed BoatやBundhaya Speedboatが、コームック島とランタ島(1時間)、リペ島(2〜3時間)を結んでいる。これらのボートは浮き桟橋に接岸するか、沖合でロングテールボートに乗り換える必要があり、その際ボートマンに直接50バーツの「ロングテール手数料」を支払う場合がある。
島内での交通手段
島は十分に小さく、主に徒歩か自転車で移動できる。
- バイクタクシー(サレン): サイドカー付きのバイク。島内のほとんどの移動(桟橋からチャーリービーチなど)は1人一律50バーツだ。
- レンタル自転車: 1日100〜150バーツ程度でレンタル可能。道はほぼ平坦だが、西側へ向かうルートには緩やかな坂がいくつかある。
- 徒歩: 東側の中心部から西側のビーチまでは歩いて30〜40分ほどだ。
滞在エリアの選び方
村の中心部(東側): 低予算の旅行者や地元の食堂の近くにいたい人に最適。ゲストハウスが最も密集しており、メインの桟橋もここにある。
シバライ側: シバライ・ビーチ・リゾートが大部分を占めるエリア。静かで日の出の眺めも最高だが、宿泊費は高めで、地元の飲食店街からは離れている。
チャーリービーチ / 最西端: 夕日と崖の近くにいたい人に向いている。より荒削りな雰囲気だが、大型の開発が撤退したため、宿泊施設は質素なものが多い。
地元の食と夜の過ごし方
料理は地元のムスリムコミュニティの影響を強く受けている。質の高いマッサマンカレーや新鮮なイカが期待できる。
- 食事: ほとんどのレストランは家族経営だ。夕食は通常18時から21時の間に提供される。
- 価格: 地元の店での食事は80〜150バーツ。桟橋近くのレストランでのシーフードディナーは300〜500バーツ程度になる。
- 水: 水道水は飲めない。ほとんどのゲストハウスでは、ガラス瓶に入ったろ過水が提供される。
実用的なサバイバルチップス
- 現金とカード: 現金主義の島だ。村の中心部にATMが数台あるが、現金切れになったり海外のカードを拒否したりすることが頻繁にある。滞在に必要な分のタイバーツを本土で用意しておくこと。
- 通信環境: AISとDTACの4G信号は島内のほとんどで強い。多くのゲストハウスでWi-Fiが利用できるが、午後の雷雨の間は不安定になることがある。
- 国立公園入園料: エメラルド洞窟を訪れる際は、ハット・チャオ・マイ国立公園の入園料(外国人は200バーツ)を支払う必要がある。チケットは1日有効なので保管しておくこと。
- 物資: 村に小さな薬局はあるが、特定の薬が必要な場合は、フェリーに乗る前にトランで揃えておくべきだ。
秘密の隠れ家と混雑スポット
過大評価: 午前10時半から午後2時の間のエメラルド洞窟。トンネル内はライフジャケットを着たツアー団体で渋滞し、ラグーンの静寂は失われる。
秘密の隠れ家: サバイビーチ。険しい北海岸に位置し、カヤックかロングテールボートでしかアクセスできない。私はチャーリービーチからカヤックで約45分かけて向かった。そこには売店もインフラもなく、背後に密林が迫る砂浜が広がっており、たいてい貸切状態だ。満潮時には砂浜がほぼ消滅するため、出発前に潮汐表を確認することが不可欠だ。